今回のお話は、自然素材の調湿作用について。

住宅に使用される木や漆喰、珪藻土などの自然素材には湿気を吸放出する調湿作用があると聞きますが、どのくらいの効果があるのですか?快適に感じる湿度は何%くらい?という疑問についてお答えします。

内装に使用される木や漆喰などの自然素材には、素材がもつ魅力や天然素材であることの安心感、温もりなど多くの効能をもっていますが、素材自体が「呼吸」をするという力は特筆すべきポイント。乾燥した木材は空気中の水分量(湿度)が高くなれば湿気を吸い込み、乾燥すれば吐き出すことができる調湿作用があります。例えば4寸角桧の柱1本分で2Lペットボトル1〜本分もの水分が出入りできる調湿作用があるといわれていますから、木の住まい全体の材木量からすると相当な効果があるといえます。より効果的にするには内装の仕上げに木を使うこと。床・壁・天井すべて板張りにすることはもちろん効果的ですが、部屋のしつらえ、雰囲気的には天井は木、壁は漆喰や珪藻土の仕上げが色合いやバランスが良いでしょう。自然素材の漆喰や珪藻土も、木と同様に優れた調湿作用がありますから、内装の仕上げ材に用いるには最適な素材といえます。季節による気温変動にもよりますが、一般的に人が快適だと感じる室内の湿度は40%〜60%だといわれています。平衡含水率に達した木(簡単に言うと自然乾燥させている過程で反ったり割れたりしてくる段階の含水率)は空気中の水分量に対して均衡しようとする働きで緩やかに水分の吸放出を行い適度にコントロールをしてくれます。もちろん人のためではなく素材自体の仕組みなのですが、ちょうど人が感じる快適さの空気中の水分量に範囲内になるのも不思議。もっとも、木は湿気を含めば膨らむし、乾燥すれば縮み、材種や部位、木取りによっても変形の度合いは異なります。建築材料として適した樹齢に達した木(若い木は変形量が大きい)を、充分に寝かせて(自然乾燥させて)から使うことで変形量を小さくすることが出来ます。見えない壁の中や床下、天井裏なども構造材や下地材が室内と同じ働きをしますのでカビや結露の発生も抑制されます。


最近の住宅は合板フローリング床に天井・壁ともにビニールクロスの仕上り。合板フローリングは無垢材ほど素材自体の調湿作用はありませんから、ジメジメしたり蒸し暑い季節には足裏がべたつく感じがします。ビニールクロスも機能商品として謳った商品があるようですが、調湿作用だけを比較してしまうと無垢の木にはかなわないようです。使っている素材自体が働いて適度にコントロールしてくれるなんて嬉しいしきっと愛着もわいてきますよ。

 「やっぱり自然素材」

人に、環境に、家計に
やさしい家づくりの話
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  9月17日掲載

タウンニュース記事の解説                        

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